4.RPAの開発 4.RPAの開発

4.RPAの開発

目次 – 4.RPAの開発
(1)初期導入(RPAシナリオ開発)
(2)本格導入(RPA運用スタートに向けて)

(1)初期導入

①RPAシナリオ開発手順

業務が選定できたら、実際にRPA製品を使って自動化を行っていく。開発プロセスはおおむね次のとおりである。

  • 開発計画の策定(プロジェクト概要や目的、開発方針、スケジュールを策定する)
  • 要件定義(自動化対象業務の要件を定義する)
  • RPA設計(1の業務をRPAで自動化する場合の実現方法を設計する
  • 開発(RPA製品を使って開発する)
  • テスト(開発した自動化シナリオをテストする)
  • ユーザー操作説明(自動化実行方法や前提条件、注意事項を説明する)

②RPAシナリオを自社開発するメリット

1.カスタマイズ性
自社で開発することで、企業の固有のニーズや要件に合わせてRPA をカスタマイズできます。これは、パッケージ製品では得ることができない柔軟性となります。

2.コスト節約
自社開発ならば、外部の開発者やコンサルタントに依存することなく、必要な変更やアップデートを自分たちで行うことができます。長期的にはコストを節約できます。

3.開発者の育成
自社で開発することで、従業員自らがRPA 技術についての深い理解と知識を蓄積できます。これは、将来的に新たな自動化する作業を見つけ出し、要件定義から開発までを効率的に行うための重要な基盤となります。

4.セキュリティ
外部ベンダーに依存することで、データ漏洩のリスクが高まる可能性があります。開発を社内で行えば、データのセキュリティをより高いレベルでコントロールすることが可能です。

5.独自性
自社でRPA を開発することで、競合他社とは異なる独自のソリューションを導入することができます。これにより、コスト削減に加え、収益力強化の面でも優位性を確保できる可能性があります。

③RPAシナリオ開発時の注意ポイント

前述したが、RPAは簡単なパソコン操作で作れるレベルから、システム開発に近いレベルまで、とりあえずは動作するものであれば作れてしまう。しかし、ここでの重要なポイントは、リリース後のシステム運用・保守を見越した設計、開発を行うことができるかという点にある
開発にあたり考慮すべき項目例は次のとおりである。

  • RPAが使うユーザーIDはロボット用の共通のアカウントにするか?(できるか?)
  • RPAを実行する環境はどうするか?(PCを用意するか?仮想環境にするか?)
  • 変数やシナリオ名などの命名規約、変数への値の設定方法(セキュア情報/非セキュア情報の管理)
  • エラーハンドリングの実装方針
  • 共通操作の部品化(モジュール化)の開発方針
  • 開発時に整備すべきドキュメントの種類と内容 など

できるなら初期導入のこの段階で上記をまとめた開発規約やガイドラインも整備し、それらに則った実装を行うのが望ましい。ただ、この段階でそれらドキュメントに何を記載すべきかわからないのが通常であるため、RPA導入支援と運用設計が行える専門企業に依頼してしまう手もある。プロの協力を得ることで、導入に必要なガイドラインを早期に整備し、運用・保守後のトラブルを減らすことができる。

また、すぐに使える開発プロセスや開発ノウハウを吸収することができるため、自社で一から検討する必要がなく、RPA定着までの間、そういった会社のサービスをうまく使うことも一つの選択肢である。

④RPA開発支援サービスの利用

> CACのRPA開発サービスの詳細はこちら

CACでは、RPA導入から運用・保守までの様々なフェーズでの支援サービスを行っています。
プログラミングやシステム構築が可能な人材がいない、RPA開発者の育成体制が整っていない等の状況でも、内製化を目的とした施策をトータルでサポート可能ですのでぜひご検討下さい。

【その他サービス例】

 

(2)本格導入

①社内説明のコツ

RPAは使ってみて初めて気づくことも多く、システム導入とは似て非なるものである。初期導入で自動化の実現性と導入効果の実績値を測定し、導入上の課題とその対策の見通しが立ったら、次は対象エリアを拡大して会社を巻き込んだフェイズになる。本格導入のプロセス自体は基本的に前述の業務候補の選定~開発(効果測定)と同じ手順を行うが、本格導入時にもっとも難しい事の1つは、導入の前段階の「社内にRPAの本質と価値をわかってもらう」ことだといえるかもしれない。本当に良いものでもその価値を伝えることがとても難しい場合がある。社内的にRPAによる業務効率化等の導入効果を理解してもらうため、以下のような対応が必要だと言える。

  • 決裁者への説明 この時点でまだ会社として「RPA推進GO」が出ていない場合、上長や経営層に初期導入の成果をもとに全社RPA推進の企画を上げることになる。基本的には以下について企画としてまとめる。
    • RPAについて理解してもらう(初期導入で自動化した業務をデモとして見せる)
    • RPAの導入効果とゴールを示す(初期導入の成果とともに、全社導入で期待される導入効果を示す)
    • 初期導入で分かった課題と対策
    • 推進体制や予算など必要なもの、人、お金、お願い事項 など
      ※推進体制については、後述(4)RPAの運用を参照

企画書の書き方や進め方は各企業のカルチャーや状況によるものと考えるが、RPAそれ自体が大きなカテゴリとしては、会社をより良くする改善活動であるため、理解させる・指示するスタンスというよりは、「RPAの良さや、もたらされるメリットを分かってもらって仲間を増やす」気持ちで取り組むと賛同を得やすく、会社の「横」へ、そして「上」へ広げやすいと感じる。最終的に会社を動かして全社的な取り組みまでもっていくためには、段階を踏みながら、相手に合ったいくつかの方法を試し、あなたと一緒にRPAに取り組んでくれる仲間を増やしていこう。

②勉強会・説明会の代行利用

場合によっては、RPAベンダーや販売代理店に頼めば、社内勉強会や説明を行ってくれる場合もある。主要なRPAベンダーであれば、RPA市場の先頭集団を走っている身として、世界で何が起きているか、熱をもって話してくれるはずだ。決裁者や社内のキーマンには、しかるべきベンダーの要職者から直接、説明してもらえると、RPAを取り巻く世間の潮流を感じて、心に火が付く可能性がある。または社内の関係者をRPA関連のセミナーに連れ出し、他社事例の講演を聞くのも手である。その場合、RPAベンダーやRPAコミュニティ主催のカンファレンスをお勧めする。業界の主要企業が数年前からRPAに取り組み、すでに成果を上げている事例を目の当たりにすることで、無視できない流れであることを身をもって体感してもらえるはずだ。

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