5.RPAの運用 5.RPAの運用

5.RPAの運用

目次 – 5.RPA運用の運用
(1)運用してからが本番
(2)RPAの運用体制
(3)RPAの運用のポイントまとめ

RPAは開発しただけでは有効に活用することはできず、運用体制やルールを定めることが重要になる。
RPAの運用計画を立てる際には、作業の範囲や目的を明確にし、作業の優先順位を決定することが有効と言える。また、RPAの導入により生じる問題を解決するためには、適切な保守体制や運用管理体制を整備することが必要である。
その上で、作業内容の定期的な見直しと更新、そしてRPAの性能を最大限に引き出すための教育やトレーニングが効果的なRPA活用には不可欠となる。

(1)運用してからが本番

実際は「3.RPAの開発」でRPAを業務で使い始めたときから、同時並行的にRPAの運用が開始される。RPAは自動化してリリースしてからが本番である。RPAの失敗事例の大半は計画、開発時ではなく運用後に多く発生している (図2参照) 。

 


図2:失敗事例の件数

 

そのため、運用上のトラブルを回避するためにも、運用体制の確立と導入の標準化やルール整備は重要であると考えたほうが良い。

RPAの運用では「計画」、「開発」、「運用」のRPAライフサイクルを回しながら、管理していく (図3参照) 。さらに、これら3つのフェイズに紐づいた各ガイドラインを整備し、ルール化して統制管理を行うことが必要である。


図3:RPAライフサイクルとガイドライン

 

(2)RPAの運用体制


RPAの運用体制だが、図3の「RPA推進部門」および「RPA開発担当」は、情報システム部門と経営企画部門が連携またはMIXの新組織として行うケースが多い。RPAはITでも人でもないが、システム開発、IT運用管理の手法と同じ部分もあるため、社内展開の際の統制やルール作りに際し、情報システム部門の協力が不可欠だと考える。

また、経営企画部門はRPA自動化対象部門となるバックオフィスとの連携や統制、全社横断的な改善活動を行う際に必要となる。さらに、RPAの特徴として「RPA利用部門」がこのライフサイクルに大きくかかわることになる。

「RPA推進部門」は、リリース後も「RPA利用部門」からRPAが想定通りに動いているか、実際に使われているか、改善事項はないか、定期的にフィードバックを受けて管理していく。この情報システム部門と経営企画部門のRPA推進体制は、自動化して業務改善したいRPA利用部門に対して、自動化の機会をヒアリングしながらあくまで冷静に導入のゴールに沿った業務選定を行い(計画)、運用保守を考慮した設計・実装 (開発)およびリリース後の効果測定、RPAの監視・管理(運用)を行う。RPAの特徴として、特に保守の頻度は通常のシステムより多くなると想定しておいたほうが良い。よって、できるなら、「計画」「開発」「運用」の各担当者は分けることをお勧めする。

(3)RPAの運用のポイントまとめ

RPAの運用を効果的に行うためのポイントは以下の通りだ。

1. プロセスの定期的な監視と更新
RPAは定期的な監視と更新が必要となる。システムの変更やアップデートにより、RPAのプロセスが正常に機能しなくなる可能性があるため、定期的にシステムの変更を確認し、必要に応じてRPAのプロセスを更新することが重要。

2. エラーハンドリング
RPAは自動化されているものの、エラーが発生した場合には人間の介入が必要となる。エラーが発生した際の対応策を事前に準備しておくことが望ましい。

3. 記録
RPAのプロセスは複雑であるため、動作等の記録が重要となる。プロセスの詳細、変更履歴、エラーの対応策などを記録しておくことで、問題が発生した際の対応をスムーズに行うことができる。

4. トレーニングと教育
RPAの保守を担当するスタッフは、RPAのツールやプロセスについて十分な知識を持っている必要がある。アップデートされる情報に対応するためにも、定期的なトレーニングや教育を行い、スキルを維持・向上させることが重要。

5. パフォーマンスの監視
RPAのパフォーマンスを定期的に監視し、問題が発生していないか確認することが必要。パフォーマンスが低下している場合、原因を特定し、適切な対策を講じていけるようにする。

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