コラム 「RPAの気になる話」

Webブラウザ バージョン100問題のRPAへの影響について

2022.03.17

- バージョン100問題Webブラウザのバージョンが100を超えて3桁になる問題)とは

WebブラウザはWebサイトにアクセスする際、OSやWebブラウザの種類およびバージョンを表すUser-Agentと呼ばれる文字列を通知します。Webサイト側ではUser-Agentを解釈し、OSやWebブラウザの種類に応じたHTMLコンテンツの出し分け、OSやWebブラウザ、バージョンに起因するバグの回避を行えます。同じWebページでも、PCとスマートフォンで表示を変える制御にもUser-Agentは使われます。

2022年3月現在、このコラムを書いているPCのWebブラウザのバージョンは

  • Google Chrome : 99.0.4844.51 
  • Microsoft Edge : 99.0.1150.39 

となっています。メジャーバージョンが100に近づいていますが、Webサイトによってはバージョンを2桁の数字という前提で作っているケースがあるようです。そのようなWebサイトはバージョンが100なのにバージョンを10として振る舞ってしまう可能性があり、結果、Webブラウザの表示が崩れたり、あるいはまったく表示できなくなったりする可能性があります。

バージョン100のリリース予定や影響が判明しているサイトの例など、詳しくはこちら
https://iphone-mania.jp/news-438847/
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/yajiuma/1384440.html

 

- バージョン100問題のUiPath、WinActorへの影響

Webブラウザの表示が崩れたり、あるいはまったく閲覧できなくなったりした場合、そのWebサイトを操作しているRPAワークフロー・シナリオも正常動作できなくなる可能性があります。なお、この問題は、RPAに限った話ではなく業務自体に影響する可能性もあります。

ここではバージョン100問題を回避、もしくは影響を最小化するための予防策、起きたしまった時の対応方法を考えてみようと思います。

ワークフロー・シナリオ開発時の予防策

  • 変更に強いワークフロー・シナリオを開発する
    Webサイトに限らず、RPAで自動化対象にするシステム全般に言えることですが、変更に強いワークフロー・シナリオ開発(変更時に修正が不要、もしくは最小限の修正で済むような開発)が肝要です。

    • 画像認識ではなくオブジェクト認識で要素を特定する
    • 対象画面のURLを直接指定する(メニューから順に遷移しない)
    • APIを使用しGUI無しで実装する

といった方針で開発を行うべきでしょう。

  • 自動化対象システムの変更を事前に知る
    対象システムが社内システムであれば開発・運用担当者がいるはずなので、

    • 対象システムをRPAで操作していること、システム変更でRPAが影響を受ける可能性があることを認識してもらう
    • 対象システムの開発スケジュールや改修予定を、予め共有してもらうようにする

契約しているクラウドサービスでも同じです。クラウドサービスの変更情報やバージョンアップ情報は、通常、利用者に公開されますので定期的にチェックするか、クラウドサービス側の営業担当者から共有してもらえるようにするといいでしょう。

なお、主要なWebサイト、企業で契約しているクラウドサービスの変更情報やバージョンアップ情報は、情報システム部門で一括して把握していると思います。事業部門でRPAを利用されている場合は、情報システム部門から変更情報を通知してもらえるコミュニケーション・パスを作っておくことをお勧めします。

運用時(エラー発生時)の対策

バージョン100問題に限らず、自動化対象システムの変更等で、一時的にワークフロー・シナリオが利用できなくなることはあり得ます。変更情報やバージョンアップ情報が事前に分かっていれば対策可能ですが、Webサイトやクラウドサービスでは突然の変更も珍しくはありません。

保守しやすいワークフロー・シナリオ開発はもちろんですが、RPAが利用できなくなった時でも慌てず対処でき、必要なら代替手段で業務継続ができるよう、コンティンジェンシープランを策定しておくことが重要です。Webサイトやクラウドサービスの突然の変更に限って言えば、

  • 社内での影響範囲を把握する方法
  • 関係部門への通知ルール
  • 変更が一時的か恒久的か判断する問合せ先や情報ソース
  • 代替手段(手作業など)へ切替る判断基準

などを用意する必要があるでしょう。もしこういったプランがまだであれば、この機会に策定をお勧めします。プランの内容や作り方についてはご相談下さい。

追記:
バージョン100問題の回避方法として、Webブラウザ側でバージョンをコントロール(固定)する設定が提供されているようです。あくまで暫定措置ですが、安定するバージョンに強制固定し、対策後にバージョンを上げるという方法も取れます。https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/yajiuma/1384440.html

このコラムの執筆者

株式会社シーエーシー
産業ビジネスユニット 産業ソリューション第二部
オートメーションスペシャリスト
平井 健太郎

2013年にCACに入社。約2年間はSAPアプリケーションの運用や全社の運用標準策定など、SOを中心に担当。2015年から業務自動化に関わり、クラウド型自動化サービスの運営、2017年にCACのRPAサービス立ち上げから参画。現在はRPAガイドラインの策定やサービス企画を担当しつつ、現場でのプロジェクトマネージャとして複数のお客様のRPA導入を推進中。

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