雲仙でRPAとAI-OCRの勉強会をしてきました(その2)
CACは、長崎県雲仙市とデジタル化推進および観光振興に向けた協定を結んでいます。その一環として、2022年11月、雲仙市行政改革推進委員会でRPAとAI-OCRの勉強会を開催させて頂きました。前回のコラムでは勉強会でお話ししたRPAのポイント 3点をご紹介しました。
このコラムでは、勉強会の後半、AI-OCR導入のポイントについて同じように補筆しながら、説明してみたいと思います。
そもそもAI-OCRとは
一言で言うと、「紙」をスキャンした画像データから文字や数字を読み取ってくれるAIです。ここで言う「紙」とは領収書、請求書、各種伝票を言いますが、変わったところでは預金通帳や決算報告資料などを読み取る使い方もあります。
2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法(電子取引データの電子保存義務化は2023年12月31日まで猶予期間があります)で注目を浴びるようになったテクノロジーということは、皆さんもご承知と思います。
これもチェック! AI-OCRとRPA連携で経理業務を変革|対談インタビュー
https://cacrpa.com/library_rpa-interview01/
AI-OCRとRPAがセットで語られる理由
RPAは定型的なシステム操作を人に代わって行ってくれる便利なツールですが、RPAはソフトウェアなので、領収書や請求書といった物理的な紙をそのまま扱うことはできません。紙をデジタル化し、RPAが取り扱えるようなデータに変換する工程が必要で、ここでAI-OCRが登場します。
紙 ― AI-OCRがデータ化する ― RPAが自動処理する
という流れになるので、AI-OCRとRPAがセットで語られるようになりました。
これもチェック! AI-OCR RPA連携ソリューション
https://cacrpa.com/service/plusone/ai-ocr/
新しいテクノロジーを使うための前準備
RPAやAI-OCRに限らず、新しいテクノロジーを使うためには、その前準備が必要です。もう少し正確に言うと、新しいテクノロジーが最高のパフォーマンスを発揮するためには、そのための前準備が必要です。
例えば、自動で部屋の掃除をしてくれるルンバは、部屋においてスイッチを入れるだけでも使えますが、ルンバのパフォーマンを最大限引き出すには、ルンバが動きやすいように前もって部屋を片付けおくと良いと言われています。
RPAとAI-OCRについても同じで、次のような前準備をおすすめします。
- どの製品を使うのか?
RPAもAI-OCRも、いろいろな製品があります。RPA製品とAI-OCR製品との相性、お客さまの業務との相性もありますので、製品選びは重要です。
- どの業務を改善するのか?
紙の業務といっても幅広い業務があります。経費精算、出張精算、出荷伝票、入荷伝票、稟議書などなど。どのような紙の業務が社内に存在するのか、どういった業務であればRPAとAI-OCRが活用できそうか、あらかじめ調査しておくことをおすすめします。
- 誰が開発するのか?
RPAはワークフロー、シナリオに沿って動きます。このワークフロー、シナリオはプログラムと同じでお客様の業務ごとに開発します。開発は外部に発注するのか、社内で行うのか、社内で行うとして開発者育成はどうする?、開発の時間はどう確保する?、開発標準やドキュメントはどう整備する?、あらかじめ準備することはたくさんあります。
- 誰が面倒を見るのか?
システム一般に言えることですが、ワークフローやシナリオの完成は始まりに過ぎません。ワークフローやシナリオを動かし、業務として運用し、業務の変化に合わせて保守・改修し、トラブルがあれば対応する。完成した後、つまり運用に向けても準備することはたくさんあります。
まとめ
新しいテクノロジーには準備することがたくさんある ― 不安を煽るような書き方になってしまいましたが、お客様の不安を一つ一つクリアにしていくのが我々SI企業の役割です。「RPAとAI-OCRをこれから考えたい」「いま動いているシステムを改めて見直したい」という皆様、CACがご相談にのります。お問い合わせください。
本記事のカテゴリ :RPA技術コラム
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