コラム 「RPAの気になる話」

改めて問う「RPAとは?」 ― 2023年バージョン

2023.11.09

RPAが日本で使われ始めて5年。RPAは自動化ツールとして、すっかり認知を得ました。RPAについて書かれた書籍やWebページも多く、「RPAとは?」と検索すれば1,000万件以上のページがリストされます。リスト上位のページでは正統派のRPAの説明がされていますが、「それ知っている」という内容が多いのではないでしょうか?

そんな2023年だからこそ改めて「RPAとは?」を問い直そうと思います。

RPAプロジェクトで、日々、お客様の業務自動化・改善に奮闘しているメンバーに「RPAとは?」を聞いてみました。またRPAでできること、これから、推すポイントについても聞いています。RPAの書籍やWebページのような模範回答でも、ChatGPTの優等生的な回答でもありませんが、私たちが業務自動化・改善の最前線で感じている「RPAとは?」についてご紹介したいと思います。

  1. RPAとは?
  2. RPAでできること、できないこと
  3. RPAのこれから
  4. RPA推しRPAを推す理由

先ずは「RPAとは?」から始めたいと思います。メンバーに「あなたにとって、お客様にとって、業務にとって、システムにとって、RPAとはどういう存在なのか」を聞きました。

RPAとは、業務を自動化してくれる便利なツール

予想通り、RPAは業務を自動化してくれる便利なツール、というタイプの答えが多く返ってきました。いくつか紹介してみます。

パソコンで行っている作業を自動化できるソフトウェアです

・定型作業の業務効率化を叶えるツール
・バッチ処理の現代版
・RPAを知らない人にとってはなんでも作業を代行してくれるAIロボットと印象を持っている人もいると思います。

それまで手作業で実施していた単純作業を繰り返す業務について、業務担当者のヒューマンエラーや精神的・肉体的負荷を軽減してくれるツールの一つ。上手に利用することで、誰でもRPAを使用するメリットを感じる事ができる。

毎日の「めんどくさいなあ、、、」を解消してくれるもの。日々の定型業務は何かとマンネリしがちかと思います。慣れてきてマンネリ化してきたときほど油断によってミスしてしまうことがあります。そこにRPAを用いることによってミスを減らすことが出来るだけでなく、定型業務がなくなった分時間を作ることが出来、人にも余裕を与えるものだと思います。

RPAが定型業務、単純作業、パソコンでの作業を自動化してくれるという利点は、多くの人が認めるところですし、お客様の業務効率化のツールとしてご提案するのは当社も同じです。「負荷を軽減する」「人にも余裕を与える」という回答のように、人を助ける、人にやさしいというイメージもあります。

RPAとは?の回答は自動化だけではない

一方で、自動化とは違った観点でRPAを見ている回答もあります。次の回答は、RPAを業務改善ツールとして捉えています。

RPAとは、それ自体が自動化ツールではありますが、RPA導入の前提として必要な業務整理を実施するきっかけとなるものでもあるため、私の中では自動化ツールというよりも、業務改善ツールの側面が強いと感じています。

たしかにRPAが実行されるところを見れば自動化ツールですが、ワークフローを設計・開発する過程は業務の再定義であり改善と言えます。
さらに、RPAはインフラであるという回答もありました。

今後システムインフラ的存在になっていくもの。
システムインフラ的な立ち位置となると想像しています。AIの技術進歩によりどこまで発展していくのか、そもそもRPAという名前が残るのか定かではありませんが、それまでの技術革新や培われた知見という点では半永久的に(見えない形で)残っていくのではないかと推測しています。

おおざっぱな言い方ですが、システムは機械(ハードウェアとソフトウェア)と人がいて初めて動きます。人が全く介在しない機械だけが自律動作しているシステムは、まだSFの中の話です。RPAは機械(ソフトウェア)ですが、人の動きをトレースするため、機械と人の中間のようにみえます。そのため、機械、人に次ぐ第三の要素かもしれないという意味でRPA=インフラとしているようです。

RPAとは、協同者・協働者でもある

大半の回答がRPAをツール、ソフトウェアとみなしている中で、RPAを擬人化した回答もありました。

協同者・協働者
分身(同時に自分の仕事をいくつもやってくれて、昼休み・終業後の自分の時間を過ごしているときも働いていて、すべて自分の実績になったり、自分に役立つものをつくってくれる!)目に見えて早い、楽、ときどき不安要素もあるけれど良く動く

ワークフローに人名っぽい名前を付けているお客様もいます。名前を付けるだけで愛着がわきますが、こうなるともうツールというより、システムを構成する第三の要素であり、協同者・協働者といってもいいでしょう。

***

紹介したどれが正解というわけではありません。RPAに対する見方、関わり方は企業によってそれぞれ違っていて当然です。RPAをツールとして使うにしろ、仕事のパートナー的な存在としてつきあうにしろ、自分たちにとって「RPAとは何なのか?」というしっかりしたスタンスを持つことが重要なのだと思います。

1回「RPAとは」はこのへんで。第2RPAでできること、できないこと」に続きます。

本記事のカテゴリ :RPA技術コラム

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