3. RPAの計画 (後半) 3. RPAの計画 (後半)

3. RPAの計画 (後半)

3.RPAの計画 (後半)

目次 – 3.RPAの計画
(1)ゴールを決める(前半)
(2)RPA製品の選定(前半)
(3)業務候補の選定
(4)効果予測
まだ(1)、(2)の 3.RPAの計画(前半)をお読みでない方はこちら

(3)業務候補の選定

製品の選定と評価が終わったら、次に自動化する業務候補を洗い出すことになる。


図1:RPA導入フェイズとフレームワーク

会社で最初の導入であれば、パイロットとして自分の所属する課やRPA導入に賛同してくれている部署の現場担当者に協力してもらうことになるが、現場担当者がRPAについて知らない場合も多い。そのため、相手のITリテラシーに応じたアナウンスをして、業務候補を出してもらう必要がある。ここでアナウンスするのは、ヒアリングに必要な情報だけでなく、RPAを理解してもらうことと、導入のゴール(目的)を現場の賛同が得られるメッセージとして共有することだ。また、すべての業務候補に対して一気に必要な情報を集めると、現場の手間もかかってしまうため、絞り込みながら細かい情報を収集していくこともできる。段階的な対象業務のリストアップ例を記載する。

①現場から手間/面倒だと思っているかつ手順書のある業務について上位○個をリストアップしてもらう。

最低限、以下の情報は収集しよう。この段階で細かい内容は聞かなくても問題ない。ある程度絞った後に、あとでヒアリングすることができる。

  • 業務名と業務概要(○○業務。××から依頼が来たらAシステムを使って△△する業務)
  • 実施回数/月間
  • 作業時間/月間

②上位○個の業務のうち、さらに上位数個に絞り、以下の項目をヒアリングする

【RPAに適合しているか?】
  • 単純で定型的な作業
  • 同じ手順の繰り返し
  • 人の手作業によるミスの発生可能性が高い
  • ピーク性のある業務
  • RPA導入ゴールに則したものか
【RPAに不適合か?】
  • 人間の判断が必要な業務(非定型業務)
  • OCR読み込み等、入力がデータ化されていない業務
    ※OCR製品と組み合わせれば自動化可能だが、RPA単体では自動化できない場合があるので初期導入では避ける

③ ②と同じ席上で前述の適合性を満たす業務に対して、詳細な実施手順をヒアリングし自動化できるかどうか判断する

想定出席者は次のとおりである。
  • RPA開発担当者(RPA製品に精通していて自動化の判断ができる人)
  • RPA推進リーダー(全体の優先順位からRPA推進上の実施判断ができる人)
  • 現在、現場でRPA対象候補業務を手動で実施している担当者(その業務に一番詳しい人)
  • 現場部署のリーダー(現場作業のあるべき姿が言える人)

特に4であるが、RPA推進を対象部署と連携して進める場合、窓口となる担当者を立ててもらうことをお勧めする。なぜならば、3の手順実施者は、業務には詳しいが要件定義できない可能性があるため、業務のあるべき姿を描けて、ある程度、発言権のある人に同席してもらう必要がある。自動化に際し、そのまま自動化するのではなく、無駄なプロセスや実はいらなかった手順を廃止するなどの判断が必要になるケースもある。また、1の開発担当については、開発体制を外部に委託する場合は、導入支援ベンダーの担当者となる。

また、ここで選定する業務は、導入期の最終フェイズである全社展開を見越した業務を選定したいところだ。全社へ拡大する時に、初期導入で自動化した業務をデモとして見せることで、より自動化のイメージを持ってもらうためである。よって、ここで選定する業務は、他の部署でも行っているような業務や利用者が多い業務、または業務内容がイメージしやすい、なるべく汎用的なものが良いだろう。

(4)効果予測

業務候補に対して自動化可否の判断を行い、ある程度絞れたら、自動化した場合に何時間削減でき、お金に換算するといくらになるのか?机上の効果予測を算出する。これは自動化後の効果実績値との予実の差異を測るためと、導入後に成果としてどれくらいの導入効果が出たのか測る場合に利用する。

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