増えるシステムとそれにより更に増えるシステム間接続とRPA
企業が利用するシステムは増える
以前のコラム でソフトウェアスタック について説明しました。ソフトウェアスタックの最近の傾向として、ハードウェア、OS、ミドルウェアはクラウド化され、アプリケーション開発者が構築・所有するのでなく、フィーを払って 利用できるようになりました。サーバやOSを購入しセットアップする手間が省けたこと、コストも安価なこともありアプリケーション開発の最初の敷居はぐっと下がったと言われています。そしてその結果、多くの企業向けSaaSが登場するようになりました。
多くの実用的なSaaSの登場は、企業が使うSaaSの数の増加につながっています。Statista調べ(※) によれば、その数は2017年が16、2020年が80、2023年が130となっています。
システム間接続も増える
企業において個々の業務が相互に接続しているように、業務システムも他の業務システムと接続しています。例えば、新たにリモートワーク勤務に対応した勤怠管理システムを導入すると、ログインのために従業員データベース、勤務時間や休暇は人事システム、超過勤務精算のデータは経理システムなど既存システムとの間でデータの参照や受け渡しが必要になります。
システムが増えるとシステム間の接続数が急激に増えます。システムをノードとみなした時、ノードとノードの間の線(エッジ)の数は、
ノード数 * (ノード数-1) / 2
で計算されます。ノード数10でエッジは45、ノード数100でエッジは4950、ノード数よりエッジ数が急速に増えます。前出した企業が使うSaaSの数の増加の数字 ~2017年 16、2020年 80、2023年 130~ で見ると、企業が使うシステム数は6年間で8.1倍になっています。すべてのエッジ、つまり接続が必要なわけではないので、それぞれ3%のシステムに接続しなければいけないと仮定すると、接続数は
ノード数 * ((ノード数 – 1) * 0.03) / 2
となり、それぞれ3.6、94.8、251.6と接続数は6年間で69.9倍になります。
もし、増えた分の必要な接続が自動化されず、人がデータを操作しているとしたら ・・人がデータのエクスポート・インポートをしたり、画面から入力したりしているとしたら ・・それはシステム運用上の悪夢ということになるでしょう。
システム間接続はお任せください
「最初からシステム接続すればいい」「APIを使えばいい」というのは、もちろんその通りなのですが、それが難しいケースも多々あります。
- 古いシステムなのでAPIがない
- 接続のためのシステム開発にコストがかかる
- APIを使うのにSaaSの契約プランが1つ上になる
- データのフォーマットが合わない
この時、RPAは現実的なソリューションになります。RPAが、あるシステムの画面をみながら、別のシステムの画面にデータを入力することはできるので、それをシステム接続の機能として利用すればいいわけです。
CACは多くのお客様とのプロジェクトで、いろいろなシステムとシステムを接続してきました。接続方法にはGUI操作とAPI接続がありますが、そのどちらも実装対応できるのはもちろん、中にはRPAツールと相性の悪い既存システムに対応した工夫や、業界固有なパッケージソフトの特殊なAPIを利用した経験値もあります。いろいろな経験のおかげで、接続できるシステムのバリエーションは増えました。システム間接続でお悩みならCACまでご相談ください。
※ Average number of software as a service (SaaS) applications used by organizations worldwide from 2015 to 2022
https://www.statista.com/statistics/1233538/average-number-saas-apps-yearly/
本記事のカテゴリ :RPA技術コラム
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