UiPathのモダンデザインを使ってみました(パート3)
前回、前々回のコラムに続き、UiPathでアップデートされたモダンデザインについて紹介します。今回も、皆さんと一緒にモダンデザインを学習していきたいと思います。UiPath Studioのバージョン21.10を使用しています。
前々回はUiPath製品のおさらいとモダンデザインを紹介した後、モダンデザインとクラシックデザインでワークフロー作成方法がどう変わるかを比べてみました。前回は「交通費精算」ワークフローを題材として、セレクターや要素の扱いの違いをモダンデザインとクラシックデザインで比較をしてみました。まだチェックしていない方は、ぜひ、ご覧ください。
今回は、モダンデザインの新機能であるオブジェクトリポジトリを見ていきたいと思います。
オブジェクトリポジトリ
下の図はUiPath Studioの画面に表示される説明です。
オブジェクトリポジトリでは、プロジェクトに含まれるUI記述子の管理やUIリポジトリへの追加、およびUIライブラリとしての再パブリッシュを行うことができ、UI記述子をグローバルに再利用できます。UI記述子は、プロジェクトの一部としてプロジェクト全体で再利用したり、グローバルリポジトリの一部としてテストに使用したり、UIライブラリの一部としてグローバルに複数のプロジェクトをまたいで共有したりできます。
簡単に言うとオブジェクト再利用の方法といえるでしょう。
オブジェクトリポジトリの作成方法
セレクター要素からUI記述子を作成します。次の2ステップで作成することができます。
- オプションメニューから、「オブジェクトリポジトリに追加」を選択する
- 関連付ける「画面」を作成する
UI記述子が作成できると、オブジェクトリポジトリに追加されます。
オブジェクトリポジトリの再利用方法
作成済みのUI記述子を再利用する方法は、ドラッグアンドドロップするだけです。
この例で紹介したのは同一プロジェクト内での再利用でしたが、プロジェクトをまたいでも利用が可能です。例えばSAPを扱うオブジェクトリポジトリであれば、他のSAPを扱うワークフローの作成に汎用的に活かすことができます。
オブジェクトリポジトリは、レコーディングやセレクター選択の回数を少なくでき、開発効率を上げてくれます。同時に、保守の負荷軽減も見込める便利な機能ですが、使い方には注意が必要です。主な注意点を3つ挙げてみます。
注意点 | 対策 |
---|---|
誰でもUI記述子の修正ができるので、意図しない上書きがされてしまう | オブジェクトリポジトリを更新する担当者や更新タイミングを決める等、意図しない上書きがされないような運用ルールを作るのがおすすめです |
UI記述子の上書きがされることで、バージョン管理が煩雑になる | バージョンアップするときに「説明」欄にその内容を書いておく、リリースノートを作る等、バージョン管理のルール作りをおすすめします |
どの要素を指しているか、見分けがつかなくなってしまう | 「要素名」のネーミングルールは重要です。後から見る人が分かりやすいよう、一貫性があって、かつ直感的になるようにしましょう。ネーミングルールについては「のどか先輩のUiPath開発解説シリーズ 名前は分かりやすくユニークにする」も参考にしてみて下さい。 |
今回のコラムでは、モダンデザインの特徴の1つであるオブジェクトリポジトリを紹介しました。モダンデザインについてのお問い合わせも増えていますので、引き続き皆さんにモダンデザイン情報をお届けしようと思っています。
最後に宣伝っぽくなりますが、CACでは開発規約やテンプレートをもとにした品質重視のRPA開発サービスを行っています。モダンデザインに関することはもちろん、UiPathやWinActorの開発に課題をお持ちのお客様は、ぜひ一度、ご相談ください。
このコラムの執筆者
株式会社シーエーシー
アドバンスドテクノロジー本部
森永 和花
RPAの開発・保守を担当しています。RPAが初めての方はもちろん、今、運用中のお悩みをお持ちのお客様と一緒に、RPAを着実に進めていけるよう、日々業務に取り組んでいます。
本記事のカテゴリ :RPA技術コラム
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