どうもうまくいかない!?SharePoint Online(SPO)とRPAの”あるある”をこう解決した!
目次
はじめに
SharePoint Online (SPO)は、最近では、企業の従来のファイルサーバーやグループウェアにとって変わり、単なるファイル保存場所ではなく、チームでの協働作業、組織の知識管理、業務プロセスの効率化を促す統合プラットフォームとして利用されています。
RPAにおいても従来のファイルサーバーからSPO上に格納されたファイルを操作する必要が多くなってきました。
RPAでのSPO上のファイル操作が不安定でお困りになることがあるのではないでしょうか。今回は、RPAでどのようにSPOの操作をしたらよいか、当社の実績、経験をもとにご紹介します。
SharePoint Online (SPO)ファイル操作の安定化
RPAでSPO上のファイルを編集したり保存したりする際、うまく保存できない、同期の遅延により最新バージョンに置き換わらないなどのお悩みを持たれる方が少なからずいらっしゃると思います。
そのような場合、SPOの表示画面上からファイルを直接操作しようとしていませんか?
SPO上のファイルを扱うには、いくつかコツがありますので以下を御覧ください。
(1)SPO上のフォルダやファイルをエクスプローラーの上のファイルとして扱う。
RPAにてSPOの画面操作をせず、エクスプローラーで通常のファイルと同じようにファイルパスとして扱うことにより、SPOでのパスの扱いの問題や画面操作の煩雑さを減らすことができます。まずは必要な準備をしていきましょう。
(2)エクスプローラーで表示されたSPO上のファイルを一時的にローカルフォルダにコピーして扱う。
SPO上のファイルを直接編集せず、一時的にローカルにコピーして編集後、元のSPOフォルダにコピーし直す操作にすれば、不安定な状況が発生しづらいです。
※SPOからエクスプローラー表示させた場合、コピーできるファイルの最大容量は、4GBとなりますので注意が必要です。
操作の事前準備と注意点
ファイルパスの記述方法
SPOのファイルパスの記述についてはRPAソフトウェアにより適切な記述があり、注意が必要です。
▶UiPath
URL表示にすること
例)\\******.sharepoint.com@SSL\DavWWWRoot\sites\o365s-******-rpa\Shared Documents\SharePointアップロード.xlsx (*は伏字)
▶WinActor
ネットワークドライブとして割り当てたドライブレターを含めること
例) R:\ SharePointアップロード.xlsx
Officeのキャッシュクリア
SPO上のファイルが古いバージョンのままで最新に置き換わらないことがありますので事前に以下設定をしておくことが必要です。
※この解決策は、Microsoft Officeのデスクトップ版に対してのみ有効です。
【手順】※お使いのバージョンにより文言が異なる可能性があります。
① 任意のExcelファイルを開く
② メニューの「ファイル」をクリック
③ 左ペインから「オプション」をクリック
④ Excelのオプションのポップアップウィンドウの左ペインから「保存」をクリック
⑤ ④のウィンドウの下方のキャッシュの設定より
「ファイルを閉じたときに・・・キャッシュから削除する」にチェックを入れる
⑥ 「OK」ボタンをクリック
実際に作成してみました
ここまで事前準備や注意点のご紹介をしてきました。
設定が完了したら、実際にワークフロー/シナリオの作成をしてみてください。
ここでもう一つ、つまずくポイントが出てくると思います。
「SPOファイル操作の安定化」の (1)でネットワークドライブの割り当てをエクスプローラーに実施しましたが、この割り当てだけでは数日間アクセスがないと切れてしまいます。
そこでRPA実行時に都度、SPOへの再接続処理を実施しなくてはなりません。
以下は再接続処理のフローの一例です。
UiPath
① URLを指定して対象となるSPOを開く
② SPO画面上の“すべてのドキュメント”をクリック
③ “エクスプローラーで表示”をクリック
WinActor
① URLを指定して対象となるSPOを開く
② SPOが操作状態可能になるまで待機
③ 次の操作まで待機
④ SPO画面上の“すべてのドキュメント”をクリック
⑤ 次の操作まで待機
⑥ “エクスプローラーで表示”をクリック
⑦ 次の操作まで待機
このような設定をすることでエラーの低減につながり、安定的な処理をすることができます。
おわりに
今回は「どうもうまくいかない!?SharePoint Online(SPO)とRPAの”あるある”をこう解決した!」と題してちょっとしたTIPSをご紹介しました。
RPA開発や保守において現場ではSharePointの操作以外にも様々なお困りごとがあるのではと思います。
当社では豊富な実績や知見を活かしたRPA開発、運用保守を行っております。
RPAのエラーを低減させたい、想定していた動作にならないなど、お困りの方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。
本記事のカテゴリ :RPA技術コラム
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