コラム 「RPAの気になる話」

RPAによる業務改善、効率化推進の成功のカギ【連載第二弾】~モデルケース② 最適な業務選定~

2025.11.06

前回のコラムでは、RPAにおける業務改善、効率化の多くの事例の中でみえてきたポイントを3つのモデルとして分けたこと、その1つ目をご説明しました。

全社的な業務改善CoE導入 キーマン設置型

専任チームが業務改善や自動化を担う中で、推進部門と業務担当・利用者の間に調整役となるキーマンを設置するモデルです。

 全社的な業務改善CoE導入 業務収集型とは

今回はとてもシンプルで、DX推進/情報システム側などの推進部門と現場の業務担当者で要件定義・設計~リリース・保守までを進めていこうといった体制です。RPA導入による全社目標/KPIの達成や、RPAに期待する効果の実感を重視して業務自動化の展開を目指すモデルになります。

まずは現場の業務担当者にRPA化できそうな業務(ルーティン、定型作業等)を洗い出してもらいます。

RPAや自動化に馴染みがなければ、普段どんな業務をしているか、大変なことや時間がかかることをブレスト形式で出しあうような簡単なワークショップなどを開催してもいいかもしれません。
その後RPAチーム担当が洗い出してもらった業務、作業情報を収集して業務選定に入ります。情報が一箇所に集約されることで、効率的に業務選定が進んでいきます。現場からの要望ありきで、特定の候補業務の自動化を前提とした進め方・体制では見えてこなかった以下のような観点を考慮できることがポイントです。

・複数の担当者で同じような作業を実施している場合は、業務標準化から検討する
・過去に自動化された業務との共通点があれば、既存ロボットを流用する

現場部門からなかなか候補業務が出てこない場合や、抽出した業務の優先順位付けや業務が自動化に向いているのか判断が難しい場合には、ツールに頼ってしまうのも手です。
UiPathには「Automation Hub」という機能があります。これを利用することで手間なく業務の改善・自動化アイデアを集めることができ、それらを自動で分析し「導入効果試算レポート」を作成してくれるものです。

このモデルのメリット/デメリットをあげていきます。

【メリット】 全社の業務プロセス改善方針に即したシステム化提案が実現できる​

RPAチームがシステム部門等と連携可能な体制下にある場合、社内システムや他の導入ツールに対する認識、及び活用方針への理解があると想定されます。RPAチームは業務プロセスそのものの見直しを行う視点を持ちやすく、業務ヒアリング段階でRPA化のみならず、他ツールを用いたシステム化構想も提案に含めやすくなります。
現場の業務担当者としても、そうした提案を比較検討した上で、RPA導入に最適な業務を選定することができる可能性が高くなります。

【デメリット】 懸念点 リソースが足りず業務改善推進が滞るリスク​

業務選定から開発~リリース、運用開始後の問合せ対応まで作業スコープが広範囲に及ぶため、RPAチームが現場の要望に迅速に対応できなくなる恐れがあります。また、リソースが足りない中で通り一辺倒の導入を進めた場合、現場の業務プロセスの変化に対応できず保守が滞って使用されなくなったり、そのようなロボットの運用が疎かになったりすることで、管理が行き届かず放置され実質的に野良化したロボットが発生する事態も起こり得ます。
RPAチームの中での役割分担やリソース管理がより重要となるのです。

 成功要因とは

今回のモデルにおける成功要因を当社なりに考えてみました。
RPAチームが主体的に全工程の意思決定~実対応を行いますので、○万時間削減や休日業務の削減など、設定されている目標に沿った活動がしやすくなります。
きちんと目標が達成されますので、効果が出ている・成功している、という実感につながっていきます。
加えて、推進部門となるDX推進/情報システム側はもちろんRPA以外のシステム開発・運用で培ったノウハウをRPA推進/展開の過程で活かすことができます。たとえば、より低コストで高い効果を期待できる業務選定、汎用性が高く品質が担保されたロボット開発、持続可能な運用体制の整備などです。 

おわりに

今回は定番ともいえる業務収集モデルをご紹介しましたが、ローコード製品、ユーザーフレンドリーなツールが多く出てきている中で、現場でできることはあるのか、業務担当者が主体となる推進体制について気になる方も多いと思います。次回最終回も是非ご覧ください。

本記事のカテゴリ :RPA技術コラム

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